【完】素直になれよ。
▶第5章
「ありがと」...衿華side
――――――――――――...
―――――...
「なに...これ。」
バスが遅れて
あー...もう、最悪。遅刻じゃん。
なんて、そんな呑気な事を考えていた私の身体は
下駄箱から上履きを取りだした瞬間に凍りついた。
ぐしょぐしょに濡れて黒ずんでいて、
「くさっ......」
中から放たれる異臭は、生ゴミの匂い。
生憎...というか、幸いというか
時間が遅いためか
ここには私しかいなかった。
そして下駄箱の奥に、あの手紙を見つけた。
――――――『死ねばいい。』
背筋が震える。
そんな感覚が私を襲った。