【完】素直になれよ。
私が織川の名前を呼ぶと
織川は私をもっと強く抱きしめた。
...トクン......。
苦しいはずなのに
私の心臓は、心地よい音を掻き立てる。
外は蒸し暑いのに
織川の腕の中はあったかい。
こうゆうの...ぬくもり......っていうのかな。
「...嫌なら......振り払えよ。」
...嫌なわけない。
バカ...。振り払えないの分かって言ってるんでしょ...?
「一人で...抱え込もうとするなよ。」
「......ん...。ありがとう。」
なんか織川に助けられてばっかりで...情けない。
「...なんか...あったのか?」
上から響く低い声と
私の頭を優しく撫でる手に
また私の真ん中は音を立てた。