【完】素直になれよ。
「...話すから...一旦離して。」
思ってもいないことを、また私は言ってしまう。
「......やだ。」
「...話しなさいよっ」
「じゃあ...お前が引き離せばいいんじゃねーの?」
織川の表情は見えないはずなのに、
ニヤリと笑う織川が想像できてしまう。
またこいつはぁぁ......っ。
「離れんの、嫌なんだ?」
「......っ」
絶対...面白がってる......。
......悔しいし、ムカつくっ!
「悪い悪い...いじめすぎた。」
織川はそういうと、
ゆっくりと私の体を離した。
離すなら私が言った時に離しなさいよ...。
するとまた
頭の上にポンポンと手が置かれる。
熱い...。
触れられたところから
一気に身体中を熱が駆け巡った。