【完】素直になれよ。
織川は私の話を聞いて、
下駄箱を離れようとした。
きっと...犯人を捜し出そうとしたんだ。
だけど私はそれを引きとめた。
そんなことしたって
私の誤解が解けるわけがない。
誤解を解こうとしたって
きっと私の言うことなんて信じてくれない。
それが分かってるから。
だけど、目の前のあんたは...。
織川は違う。
まぁ...最初は......最低な奴だったけど
今は......
「織川が信じてくれる...だけでも......救われたから...さ。」
自分で言ったくせに...私、絶対顔赤い。
私はそんな顔を隠すように俯いた。
「じゃあ...行くか。」
「......は?」
すると、応える間も与えない、という速さで織川は私の手を取ったんだ。