【完】素直になれよ。






――――――――――――――――......




そして私は今
織川に手を引かれて...ここに至る。



「なんで......ここ?」


「お前、好きだろ?ここ。」


「や...好きだけどさぁ......。」



私はギラギラと天井からぶら下がるミラーボールを見つめる。


目の前にはドーム型のケースに
たくさんのお菓子がたくさん詰め込まれている。


そしてそのすぐ後ろには
たくさんのぬいぐるみが入ったUFOキャッチャー。




そうです。

"ここ"というのは、ゲームセンターです。




駅の向こう側にある繁華街の中の

割と大きなゲームセンター。



その中に制服を着ているのは

私と織川の二人だけ。



いや......こんな朝早くから来る人なんて、他にはいない。





「よっしゃ。貸切~♪」



横にいる織川は子供みたいに目を光らせて喜んでいた。




< 171 / 399 >

この作品をシェア

pagetop