【完】素直になれよ。
――――――――――――――――......
そして私は今
織川に手を引かれて...ここに至る。
「なんで......ここ?」
「お前、好きだろ?ここ。」
「や...好きだけどさぁ......。」
私はギラギラと天井からぶら下がるミラーボールを見つめる。
目の前にはドーム型のケースに
たくさんのお菓子がたくさん詰め込まれている。
そしてそのすぐ後ろには
たくさんのぬいぐるみが入ったUFOキャッチャー。
そうです。
"ここ"というのは、ゲームセンターです。
駅の向こう側にある繁華街の中の
割と大きなゲームセンター。
その中に制服を着ているのは
私と織川の二人だけ。
いや......こんな朝早くから来る人なんて、他にはいない。
「よっしゃ。貸切~♪」
横にいる織川は子供みたいに目を光らせて喜んでいた。