【完】素直になれよ。
ボトンッ。
「ふふんっ♪取れちゃった。」
犬のぬいぐるみを横に掲げて
織川に笑顔を振りまく私。
「...まぐれだろ。」
悔しそうに私から視線をそむける織川。
「はい。あげる。」
「...は?」
「なによ。これ、欲しかったんでしょ?」
私はふてくされている織川に
茶色い犬のぬいぐるみを差し出した。
「あぁ...俺はいらねーよ。」
「え?」
「お前にやる。」
「...ありがとう。」
なんでだろ。
そうして首をかしげる私に、織川は言った。
「お前にそっくりだろ?犬って。キャンキャン吠えて。」
「な......っ!」