【完】素直になれよ。
またからかってる…。
これじゃあ…私、
本当に織川の言うとおり…振りまわされてんじゃん…。
「こうやってされんの、好きだろ?」
今度はわしゃわしゃではなく、
ゆっくり…私の頭を撫でる。
「…バカ。……撫でられんのが嫌いな人なんて…いるわけないでしょ。」
あー…っ。なにいってんの私?
自分で自分が恥ずかしくなって
織川から視線を背けた。
「やっぱ……犬じゃん。」
「…どこがっ」
「懐くと……可愛いくなるとことか。」
なに、いってんの…?
可愛い…って……言ったの?
私を?織川…が……?
「〜〜っ……バカ変態嘘つき!!!」
恥ずかしさと
身体中に駆け巡る熱に耐えられなくて
私は織川を手で突き飛ばして遠ざけた。
可愛いって…
そんな台詞、
ナンパしてくるやつらに
私散々言われてきたじゃん…っ。
なんで…
なんで織川に言われると、
こんなに心臓がバクバクするの…?