【完】素直になれよ。
そんな些細なことが嬉しくて、
プリ機から流れる音楽と一緒に
鼻歌を奏でる。
「あっ!みてこれ、この織川!超盛れてるっ!」
「……なんだよ盛れてるって…。」
「あーだからっ、可愛くなってるってこと!」
「はぁ?!」
盛れてるの意味を説明しただけなのに
隣で大きな声を出す織川は
顔を真っ赤にしている。
可愛い…。
そんな織川の表情をみて
私は無意識にそう思っていた。
「できた!おわりっ。」
私は軽やかにペンを滑らせて
おわりのボタンを押した。
「なんか…妙にテンション高いよなぁお前…。そんなにプリクラ好きなのかよ。」
「だっていいじゃん、なんか…。この先このプリクラみて……つらいことあったときに今のこと思い出して、笑える日が来るかもしんないじゃん。」
織川より優位にたてて嬉しいのもあるけど…やっぱり一番は
あんたといれて楽しいってことを
大切にしたいから。