【完】素直になれよ。
「俺はここにいる」…結斗side
「いいかお前ら、昔はよく駆け落ちもどきで授業をサボるやつはいたがなぁ」
あー…ねみぃ……。
俺はあくびが出そうなのを必至でこらえる。
「いまは昭和じゃねーんだ。平成なんだぞ?!」
やべー…ウトウトしてきた…。
「……って…さっきからお前!聞いてんのか?!?!」
お、やっべ。
俺はパチっと半分閉じていた目を開いて、中年の先公に視線を向ける。
話を聞いていないのがバレたと思っていたけど…。
目の前でずっしり椅子に腰を掛ける先公の顔は、
隣で同じくウトウトしながら立っている久留米に向けられていた。
つーかこいつの場合はもう、
ウトウトというかフラフラだ。
今にも横に倒れてきそうなほど…。
で…。
なんで俺らがこんなところにいるかって?
ついさっき
学校の門をくぐったときに
生徒指導の木戸とかいう
めんどくさい先公と鉢合わせして
この生徒指導室で、昨日授業をサボったことを説教されてるってわけ。