【完】素直になれよ。
でもまさか…
俺が鉢合わせしたのと同時に
久留米が門をくぐろうとしていたとはな。
そのおかげで二人まとめて木戸の厄介だ。
「………え…?」
いまになってやっと木戸の視線に気付いた久留米は
長いまつげを少し動かして重たいまぶたを開いた。
「え…?……だと?…」
木戸の口元がひくついて
表情が歪む。
おいおい。
ただでさえ強面なのに
そんなんじゃいつまでたっても
生徒から人気でねーぞ。
なんて思っていた俺の考えは浅はかだった。
「ふざけるなぁぁぁああ!!!!」
いきなり廊下まで響く声で
狂うように叫び出したんだから。