【完】素直になれよ。
微かに…薄いワイシャツ越しに久留米の吐息がかかる。
それに比例して俺の心臓は
ドキドキしてくる。
…こんな無防備なことしやがって……。
俺はなるべく久留米から目をそらした。
このままだと…マジでやばい。
すると
俺の腕の中でゴソッと久留米が動いた。
と思えば
「…あれ……うわぁっ!!!」
とか言って
バスの時と同じように俺を突き放す。
「…もう…なんでいっつも…」
なんて、その張本人は俺の目の前で顔を真っ赤にさせながらブツブツ言っている。
「今のもお前がのしかかってきたんだからなー?」
「……わかってる」
ニヤリと口角をあげて見せると、
久留米は向きを変えて
また廊下を歩き出した。