【完】素直になれよ。
何事もなかったかのように
前をスタスタと歩いて行く久留米。
…少しは動揺しろよ……。
俺は自分の手を持ち上げて
そっとそれをみつめる。
この前もそうだけど
俺、あいつの身体に触れると
異常に体温が上がって
心臓が暴れだす。
けど
あいつの体温に触れると
もっと触れたくなる。
「______…。」
廊下の先を見据えると
いつの間にか目の前から消えていた久留米の姿。
…ったく……。
なんであいつはすぐどっか行くんだよ…。
まぁ……、そのたびに
後を追いたくなる俺も…どうかしてんだよな。
小さなため息をついて
俺は教室に戻った。