【完】素直になれよ。





ガラッ。



教室の扉を開くと
英語の授業を行っていたクラスメート全員の視線が俺に集まる。



「すいません、木戸先生に指導を受けてたんで遅れました。」



黒板の前に立つ英語の女教師と
目も合わせずに言って

さっさと自分の席につく。





……つーかなんなんださっきから。




教室に入ってからずっと
クラスメートの視線が刺さっているような気がする。



それに

周りで聞こえるひそひそ話に
微かに聞こえる俺の名前。



……あー。そういえば昨日…


女の子1人半泣きにさせて…。



そして

いままでの俺が偽りだったことが証明された。




そのせいか。





だけど別に

後ろ指を刺されたって
悪口を叩かれたって

そんなことはもうどうでもいい。




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