【完】素直になれよ。
―――――――――......。
「なんで私が...。」
保健室から出て
『委員長と副委員長の初仕事』と言われて押しつけられた
石鹸の詰め替え作業をいま
私と織川はしている最中。
早く帰れるはずが
なんでこんなことに...。
「...あー、めんどくさい。」
石鹸を入れるためのネットが
パシッと水道の中に落ちる音と同時に
低く、不機嫌な声が隣から聞こえた。
いまのって...
「なんで俺が委員長なんだよ...」
やっぱり織川だ。
普段の王子様スタイルでは考えられない台詞に声。
裏があると分かっていた私でも
思わず彼の顔を見て
目を見開いてしまった。