【完】素直になれよ。
『え、なになに?聞きたい。』
その言葉に身を乗り出してくる紗希の姿が
電話の奥からでも想像できる。
「うん......。教えない。」
『えーっ!?』
私がそう焦らすと
耳元でキーンッと大きな叫び声が響く。
「うるさいなぁっ」
私は顔をしかめてケータイを少し遠ざけた。
『だってそこまで言っといてさぁ...』
「わかったわかった。話すから静かに聞いてよね...」
『うんっ!』
子供みたい...。
紗希の陽気な返事を聞いてそう思った。
こうして
今日の経緯を話すことになった私は
途中恥ずかしくなりながらも
紗希に全部言ってしまった。
それと
「私...あいつのことが......好きらしい。」
この気持ちも。