【完】素直になれよ。
そして知らぬ間に
周りは俺の事を
"真面目で完璧なイケメン王子"と決めつけた。
見ての通り
表の顔の俺は
そうやって固定されたキャラクターの中でおさまっている。
だから委員長だって引きうけた。
けどやっぱ...
「...あー、めんどくさい。」
水道の底に
石鹸を入れるネットを叩きつけて
思わずつぶやいた。
「なんで俺が委員長なんだよ...」
すると
隣で静かに作業をしていた久留米が
こちらをじっと眺める。
「なに見てんの?」と聞いてみても
「...べつに。」
素っ気なく返ってくる返事。