【完】素直になれよ。
ピーンポーンパーン...。
ちょうどそのとき
教室内に校内放送が流れた。
『2年1組久留米さん。2年2組織川くん。保健室まで来てください。』
...桜井先生じゃん......。
会話をしていた二人の女の子たちが
反射的に私の方に目を向ける。
私はそれと同時に立ち上がり、
荷物を持って教室を出た。
また保健委員の仕事かな...。
まぁ...これで周りを気にしないで織川と話せるよね。
「―――――...。」
保健室まで行く途中、
私は2組の教室をチラッと盗み見た。
......あれ...。織川、もういないし...。
そこまで深く考えずに
私はそのまま一人で保健室に向かった。