【完】素直になれよ。
そして私の口を割って侵入してくる何か…。
これは、舌?
いつの間にか壁に押さえ付けられていた私は、彼の思うがまま。
嫌なはずなのに、抵抗する気力なんてない。
こんなにあっけなく…ファーストキスって終わっちゃうんだって、情けない感想を心の中で述べる私。
東堂渉も男なんだって、ここで理解する私。
息なんて続いてないのになんでキス続けてんだろ…って、自分に呆れる私。
もう……どうでもいいやって、やけくそになっている私。
だけどそんなことを考えたって
消えない。消せない。
織川_____…。
心の片隅、ううん…いつも心の真ん中に、あんたがいるんだよ。
やがて長く深いキスが終わり、私は涙を拭って顔をあげた。