【完】素直になれよ。
東堂は俺の手首をグッと掴んで、力を増していく。
「......ざけんな...。」
「織川くんこそ...これ以上久留米さんに近づかないでくれる?」
「ふざけんな...!」
俺は掴まれていた手を思いきり振り払った。
あいつは...あいつは......。
「あいつは、俺のもんなんだよ!久留米を理解できんのは...俺しかいねーんだよ......!」
「久留米さん言ってたよ」
「......あ?」
「俺に...『織川のことなんて、なんとも思ってない』って。」
ドクン...。
心臓は大きく嫌な音を立てた。
なんとも...思ってない......?