【完】素直になれよ。
▶第7章
「バカ...」...衿華side
あれから約一週間が過ぎた。
ジーンズ素材のショートパンツに、上はカーディガンを羽織って、私は誰もいない家を出た。
お母さんは今日も仕事か...。
なんてどうでもいいことを考えながら、駅まで徒歩で向かった。
―――――――...
「おっ、衿華~!」
栗色の髪を揺らしながら、私に向かってブンブンと手を振る人物。
......ちょっと、恥ずかしいんだけど。
「...お待たせ。珍しいじゃん、紗希が私より前に来るなんて」
「いやー、映画楽しみ過ぎて早起きしちゃったよ~」
そう。
今日は電話で約束した日曜日。
紗希が推しているイケメン俳優が出る恋愛映画。
なるほど...通りでテンション高いわけだ。
まぁ紗希はいつでもこんなんか...。