【完】素直になれよ。
怖くて、肩が震えた。
「お前はそーゆー奴かよ。誰とでもキスできんのかよ。男嫌いじゃねーのかよ!!!」
......織川?
目の前の彼は言い終えると、肩で息をしていた。
「なんで振りはらわねんだよ...。」
「聞いて...違うの織川、あれは......」
「違うってなんだよ。」
ダンッ――――――
鬼の形相をした織川は、私の腕を掴んで扉に押さえこんだ。
変だよ。変だよ織川。
いつもならちゃんと...ちゃんと聞いてくれるじゃん。
なんで...?
「誰とでもキス、できんだろ?」
そう言って上から私を見下す。
背筋が、凍りついた。