【完】素直になれよ。
「だから、織川くんも…あんたから引き離すことにしたの。」
「…え?」
なにいってんの…?
「まだ気付かないの…?あなた見たんでしょ?私と彼が、抱き合ってるとこ。」
…っ。
全部、李奈の企みだった…?
「東堂くんにね、協力してもらったの。"織川くんと久留米さんの仲を引き裂けば、東堂くんにも可能性ができる"って言って。」
じゃあ…あのとき東堂渉が美術室に私を連れて行ったのも、
李奈のシナリオ…ってこと?
「織川くんも案外ちょろいよねー…。好きだなんて嘘なのに、私を振った罪悪感で…抱きしめるなんて。」
「……っ!」
ドサッ。
次の瞬間、私は手でで李奈の手首をつかんで、彼女を押し倒した。
あざだらけの身体はこんな動きでも悲鳴を上げる。
だけどそんなことより、
織川の気持ちまで弄んでいた李奈のことが許せなかった。