【完】素直になれよ。
「俺、放課後に保健室においでって言ったあったんだけどなー…」
横から桜井が呑気な声を出す。
「なんの用だったんだ?」
「うーん、衿華ちゃんの話を聞いてあげようと思ってたんだけど…。てゆーか、お前らなんかあったでしょ?」
「…は?」
いきなり俺に指を向けて、勝ち誇った笑いをする桜井。
だからやめろよ、その顔。
「織川も衿華ちゃんも…朝から浮かない顔して、見てらんないっつーの。」
「…っ。」
なんだよそれ…。
思わず桜井から視線を逸らした。
「まぁでも、そんなことより今は……衿華ちゃん探さないと。」
ふぅ…と小さく息を吐いて、桜井は言った。
「なーんか俺…嫌な予感すんだよなー。」