【完】素直になれよ。
つーか…
こいつの話だけ聞いてると
俺、相当悪者…?
「また、なんか言われた?」
桜井の優しい声がかすかに聞こえる。
「四股してる…って。」
さっきの俺に対してのグチとは違って
いきなりか細くなる久留米の声。
「この顔立ちは生まれつきだし
この格好だって
私の好みだからしてるだけ。
大体…男好きだなんて全部、嘘なのに…」
嘘…??
じゃあなんだ…?
こいつほんとは…
「衿華ちゃん。一回ちゃんと、クラスの子…学校の子たちに、伝えてみたら?」
弱っている久留米を
包み込むように言う桜井。
「無理だよ…もう。」