【完】素直になれよ。
「...んだよ、お前もかよ。」
「織川も...か。」
実は俺もさっきから嫌な予感がしていた。
根拠はないけど...なんか、嫌な予感。
「織川の本能がそう感じるなら...急いだほーがいいかもな。」
ニヤリと口角を持ち上げる桜井を横目で見る。
「わかってる...。」
「んじゃ...俺は校舎内探すから、お前はそれ以外...頼むぞ。」
「あぁ。」
今度は俺も同じように口の端を持ち上げて見せつけてやった。
「久留米......」
すぐ見つけてやる。
決めた。
お前がどう思っていたって俺はもう、止まってやんねぇ。
見つけ出したら一発、文句でも浴びせてやるか...。
俺たちは誰もいない廊下を走り出した。