【完】素直になれよ。
校舎の外を走り回った俺は、中庭の木の下で汗を流していた。
ハァ...、ハァ...。
...んだよあいつ、どこいったんだよ。
膝に手を置いて、肩で息を整える
「くそ...」
もしかして、桜井の奴もう見つけたとか?
だったら俺のこと呼びにくるよな...普通。
「ねー...やっぱりさっきのやばいよ、優子っ」
「...あいつが悪いんじゃん。別にあれくらい...」
「だけど、めちゃくちゃ重症っぽくない?あの咳き込み方は...」
寄りかかっている木の後ろを通り過ぎる女たちの声が聞こえた。
優子...って、確かうちのクラスの...。
「でも久留米さんが悪いんじゃん!」
久留米...?
優子という女が張り上げた言葉に、俺の体は敏感に反応した。