【完】素直になれよ。
なんか訳わかんねーし
ついていけねーけど……
俺…なにやってんだよ。
さっき久留米に向かって放った言葉が
脳裏にこびりついて離れない。
久留米ってもっと
気の強い…一匹狼万歳
みたいなやつだと思っていた。
俺はこっそり、唇を噛みしめた。
「私にはさ…先生と、紗希がいればそれでいーから。」
「衿華ちゃん…」
「またピンチのときは話聞いてよ。」
「もちろんだよ」
保健室の中で交わされた
密かな約束に
俺は
もうこのときには、
割り込みたいと思っていたのかもしれない。
一息ついてから
壁から背中を離し
俺はひとり、その場を去った。