【完】素直になれよ。
たしかに...。
実は保健室にいるのは私と織川だけ。
1年どころか他の2年の姿さえない。
みんなクラスの出し物で忙しいだとか言ってるけど、絶対遊びたいだけだと思う。
「暇...だね。」
「...あぁ。」
「「......。」」
思わず沈黙になってしまう。
あの日から、最近はこんな曖昧なやり取りばっかり。
あのとき...もし織川が止めに入ってくれなかったら、私は確実に李奈の顔を殴っていたと思う。
織川が来てくれたから、李奈の気持ちも冷静に考えられたし...
なんだかんだで、すごく感謝してる。
そういえば...あの日先生に呼び出されてたこと、すっかり忘れてたんだよね私...。
先生と放課後に会う約束をしてなかったら織川は来なかっただろうし、
ある意味、あそこに織川が来たことは奇跡なんじゃないかな。