【完】素直になれよ。






織川がそばにいてくれるだけでいい...なんて思いはとっくに越していた。




「あ、そういえば傷治ってんじゃん。」


「......え?」



織川の指が私の片方の頬にピタッと触れる。



トクン―――――――...



「よかったな...跡残んなくて。」


「......うん。」



織川の方を向いて返事をすると、驚くほど近距離に彼の顔があった。



わ...やばい......心臓止まらない...。



織川はとろんとした目つきで私を見つめる。


そしてそのまま指をツーッと頬の上で滑らせる。



「ん......っ」



くすぐったくて思わずギュッと目を瞑った。





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