【完】素直になれよ。






あることを思いついた私は、それだけ言って保健室の扉の前に向かった。




「あ!!ってお前、どこ行く気だよ」



織川は不機嫌そうな顔で私を見つめる。


「ごめん、ちょっと用事思い出した!じゃあ後はよろしく!」



早口でそう告げて、扉を開けっ放しにしたまま廊下に飛び出した。




これで、どうなるかは分かんないけど。


分かんないけど...伝えなきゃ、全部。



コスプレをしたり、宣伝している生徒や父兄や他校生の間をスルリと抜けて走る。




通り過ぎる生徒全員が私の顔を見て何かこそこそ言っているけど、今の私には聞こえない。



走って走って、私は辿りついた。






"暴露大会"と大きく掲げられた舞台の前に。






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