【完】素直になれよ。
「ハァ...ハァ...」
肩で息をする。
全力疾走、しすぎたかも。
...勢いでここまで来ちゃったけど、どうしたらいいんだろう。
主催者側の人たちを探しても、この大勢の人の中じゃあ全然わかんない。
そう思いながらキョロキョロと見渡す私の肩を誰かがポンッと叩いた。
「...?」
驚いて後ろを振り向くと、そこに立っていたのは変なピエロみたいな恰好をした男の人。
「ねぇ、君もコレやってみない?」
ピエロさんは舞台を指さして言った。
条件反射で舞台を見上げると、今度はさっきの男子生徒とは打って変わって、可愛らしい女の子が立っていた。
クラスTシャツを着てるから...あれはうちの学校の子か。