【完】素直になれよ。
そんなことを呑気に思っていると、マイクを握り締めた女の子は
『1年1組、ヤマダアヤです...。...私、ずっとずっと、好きなんです...。青山くんが好きなんです!!!』
と、耳にキーンと響くような大声で叫んだ。
言い終えた女の子は頬を赤らめていたけれど、なんだかスッキリしたような顔つき。
周りも結構盛り上がっている。
「これ、うちのクラス...3年2組の企画なんだけどさ。どう?」
鼻に真っ赤なスポンジを付けたピエロさんは私の顔を覗き込んだ。
「...やります。」
「よっしゃ!じゃあおいでっ」
ザワザワと話し声が交わるこの場所で、私は一歩ずつ足を踏み出した。