【完】素直になれよ。
「「「...え~~?!?!」」」
どこからともなく聞こえる驚きの歓声。
それに圧倒されていると、人ごみの中で私の視線を止める人物が..一人。
――――久留米...
この距離じゃ、声なんか聞こえない。
なのに...なんて言っているのか、分かってしまった。
「おり...かわ......」
私が見つめる先に皆の視線が向いてしまう。
やば...まだマイク入ってるの忘れてた...。
「ごめんなさい!ありがとうございました!」
「お、おう。」
急いで舞台を駆け降りて、さっきのピエロさんにマイクを手渡した。
「おい久留米!!!」
今度はしっかりと届いた声とは反対方向に私は走り出した。