【完】素直になれよ。
「あのぉ...ここ、出口なんですけど...」
「...うわっ!!」
不意に横から低い声で話しかけられて、私は思わず飛び退いた。
しかもなんかこの人、変な仮面付けてない...?
「入口はこの教室の向う側の扉なんで...。」
「...もしかしてここ、お化け屋敷?」
今更そのことに気付いた私に、おそらくお化け役の仮面をつけた人は
「...そうだけど......え?知らなかったの?」
と言って驚いた様子。
「や...あの...とにかく、ちょっとかくまってもらえませんか?」
「え...それはちょっと...」
目が慣れてきた私は「お願い!」と言ってその人の両手を握った。