【完】素直になれよ。
そんなことを思っている隙に、織川は私の隣に座った。
「...なに逃げてんだよ。」
「うるさいな...」
「あんな大勢いる場所で、バカじゃねーの?」
「...はぁ?」
シーッ!―――――
言い合いを続ける私たちに向かって、仮面の人は人差し指を立てた。
「「...ごめんなさい。」」
ほんとに、迷惑だよね...私たち。
仮にもここ、出口の前ってクライマックスなわけだし...。
「きゃぁっ?!」
呑気にそんなことを考えている間に、仮面の人は斧に見立てた小道具を振りかざして、
お客さんである女の子を驚かせていた。
...おぉ、なかなかやるじゃん。