【完】素直になれよ。
そのせいか、この心臓の音が部屋中に響き渡ってるような感じもする。
織川はゆっくりと手を握ったまま私と距離を詰めた。
「俺の事、好きなの?」
そう言った織川の目は、まっすぐと私の瞳を捕えて離さない。
「...っ。」
ここで頷いたら...どうなるのかな私。
フラれる...?離れられる...?
唇を噛みしめて何も言えないでいると、今度は目の前でメガネをカチャッと外した。
トクン...。
そんな、透き通った目で見ないでよ...。
裸眼の織川の瞳は、少し潤んでいて...綺麗だった。
「ほんっと、素直じゃねーの...。」
そう言う織川は呆れたように微笑んだ。
こんな表情にまで...心臓おかしくなりそう。