【完】素直になれよ。
~~~っ......。
「顔あっか。」
「...うるさいっ」
「じゃあ、もっかいする。」
織川は自分本位にそう言うとまた私と距離を詰めて、顔をグッと近づける。
うるさいって言ったのに、"じゃあ"って変じゃない?
なんて呑気なことを考えているうちに、織川の香りが私の身体を包んでいく。
酔いしれるって...こういうことを言うんだ。
「...ん」
そのまま後ろ首を押さえられて、チュッと唇を重ねられた。
そこから全身が麻痺するみたいに痺れていく。
唇を少し離して、近距離で織川と目線が合う。
ふっと笑う彼の表情を見て、ずるいと思った。
私ばっかり振りまわされて...織川は、ずるいよ。