【完】素直になれよ。
私たちの距離が、ゼロになる瞬間。
「...っ」
唇が重なる。
そのまま織川の唇がちょっとだけ開かれて、私の唇をチュッと吸う。
「んっ...」
...恥ずかしいのに、離したくない。
頭も段々ボーっとしてくるし、わけわかんないよ...。
「...こーゆうこと。」
キスを終えて織川はまた偉そうに笑った。
「......早く行くよっ」
私はずんずんと先を歩いて人通りの多い歩道に出る。
「は?おい待てよ...っ」
織川が急いで駆け寄ってくるのが音で分かる。
嬉しいけど、やっぱり私ばっかりこんな気持ちになんのは悔しい...。