【完】素直になれよ。






「プール掃除?」



隣で先生の言葉を復唱する織川。



明らかにその声は
さっきよりもさらに低く、不機嫌極まりないといった感じ。


「そうそう。うちの学校水泳部とかないでしょ?だから夏休み中プール放置できったないんだわ。」



「それで俺とこいつで...」


「よろしくね♪」




うそでしょ。



私はこのとき初めて
桜井先生が悪魔に見えた。




―――――――――――――――......




「最悪。」


水を抜いたプールの中で
だるそうにゴシゴシとブラシで底を擦る織川。



それはこっちの台詞だよ...。



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