【完】素直になれよ。
「お前もちゃんとやれよ」
ため息をついた私に横から水を差す織川。
「やってる」
それにしても...暑い。
9月に入ったのに
気温は一向に下がることはない。
それにこの時間帯...
普段学校から帰る時が一番暑いんだよね......。
私はブラシをプールの壁に立てかけてジャージの長ズボンの裾をくるくると巻きあげて
少しでも肌に風があたるようにした。
「てゆーかあんたさ、男嫌いなの?」
ブラシを持ち直した私に織川は突然聞いてきた。
...なんでそのこと...。
私は手を止めて
織川の方を振り向いた。