【完】素直になれよ。
やっぱりこいつは最低な奴だ。
私の奥底にある闇をえぐって
さらには突っついてくる。
「俺だって王子様演じんのにエネルギー使ってんだ。こんくらい大目に見とけ。」
なんだその屁理屈…
「なら皆の前で演じなければいんじゃない?」
「あっちの方が先生受けも生徒受けもいんだよ。」
「なにそれ、くだらない。」
視線を逸らして
吐き捨てるようにそういうと
織川はレンズの奥で目を細めて
不機嫌そうな声を出した。
「どうゆう意味だよ。」
「……素顔隠してまで名声求めてんのがくだらないって言ってんの。」
キィッと織川を睨みつけると
それと同時に
なんか…頭が………
こめかみをブラシをつかんでいない方の手で押さえると
今度は目眩がしてきて……
「…う……。」
「…久留米?」
そんな織川の声と同時に
私の意識は遠のいた。