【完】素直になれよ。
なんか言い合いになって
頭がクラクラしてきて…
「衿華ちゃん…?」
回想の途中でシャッとカーテンが開く音がすると同時に
低く、癖のない柔らかい声が私の名前を呼んだ。
「…桜井先生?」
「どう?体の調子は。」
寝ている私を上からのぞき込む先生。
私は枕元に預けていた後ろ首をゆっくり持ち上げて
上半身を起こした。
「うっ……」
そのせいでまた少し目眩がした。
「まだ頭痛む?」
ベッドの横でかがんで、先生は私を下からのぞき込んだ。
「衿華ちゃん、プール掃除の最中に熱中症で倒れたんだよ。」