【完】素直になれよ。



私は保健室のスピーカーの隣にある時計を見上げた。


6時10分…

まだ日は明るいけど
私たちが掃除を始めてから

結構な時間が経っていた。


それに…私が織川と一緒に掃除した時間は


きっと30分にも満たない。


 

ってことは……織川はずっと…


私が寝てる間ずっと、1人で…?



「ありえない…」


あんな最低なやつが

私のためになんて…。


大体、私の前では王子演じないって…



「織川、衿華ちゃんのこと心配してたよ。」



桜井先生はニコッといつもの笑顔を見せた。



「さ、そろそろ帰ってくるかな?」



< 54 / 399 >

この作品をシェア

pagetop