【完】素直になれよ。
先生がそう言った後
それを聞いていたかのようにタイミングよく扉が開いた。
カーテンとカーテンの隙間からジャージを着た人の姿が見えるけど、顔は見えない。
でもそれが誰かなんて
もう私には分かっていた。
「おー、織川お疲れ様。」
桜井先生は私から視線を外して後ろを振り向いた。
「...あんなん一生やんねーからな。」
「感謝してるよ。な、久留米。」
先生が私に笑いかけるのと同時に
織川の不機嫌そうな顔が視界に入った。
「.........。」
私は思いきり視線をそらした。
だって...
なんて言ったらいいか分かんないし...。