【完】素直になれよ。




なに言ってんだこいつ…


訳の分からないことを言われてさらには、

鋭い目つきで睨みつけられた。


けどその瞬間


「…うっ……」

「……久留米?」


いきなり頭を押さえて苦しそうにしていると思えば

久留米の身体はふらついていて


「おいっ!」



ついには倒れそうになっていた身体を


俺は背中から包み込むようにして支えた。



「おいどうした?調子悪いのか?」

そう問いかけても

目を閉じてまったく動かない。



あんなに潔くしといて
いきなりなんなんだよ……。



調子狂う。




そんなことを思いながらも
俺は久留米の身体をひょいと持ち上げて

保健室に向かっていた。



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