【完】素直になれよ。
─────…
そんなことを考えているうちに
乗車したバス停から
六つ目のバス停まで到着してしまった。
「おい久留米、起きろ。」
頭の上に手を乗せていたことがバレないように
その左手を下ろして
久留米を起こした。
「…ん……?」
情けない声でゆっくりと瞼をあげていく。
するといきなり
「…うわっ」と驚いて俺の肩から頭を離した。
「な…なんで織川の肩に私の」
「お前の頭が勝手に乗ってきたんだよ。」
ニヤリと笑いイスのもたれる場所に手を突いて久留米を見据えた。
久留米の頭を自分の方に寄せたのは俺だ。
そんなことに気づくはずもない久留米は
頭を抱えて「最悪だ」なんて何回もつぶやいている。
つーか…そこまで俺のこと嫌いかよ。