【完】素直になれよ。
▶第3章
「嫌い…嘘。」…衿華side
───────…
「お待たせ~」
今日は約束の土曜日。
大きなショッピングモールの入り口で
今小走りでこちらにやってくる紗希を私は30分以上も前から待っていた。
「相変わらず遅いよ紗希は。」
「待ち合わせ時間から10分しか過ぎてないでしょうがっ!」
5分前行動なんて当たり前。
余裕を持って行動する私と、対照的な紗希は時間にルーズ。
「まぁいいよ、お腹空いたからなんか食べよ。」
ケータイで時間を確認すると
もう刻はお昼を示していた。
「あそこのカフェにしない?」
紗希に強引に腕を引っ張られて連れてこられたのは
明るい茶色の壁の大人な雰囲気のカフェ。