【完】素直になれよ。
───「以上でよろしいですか?」
注文を終えると
女性の店員さんはメニューを持って厨房に戻った。
「ねぇ衿華。最近どう?」
「…どうって?」
いきなり前のめりになって紗希は聞いてきた。
「学校よ、学校。楽しい?」
「…ぜんっぜん。」
お母さんなら「楽しいよ」って言っているところだけど
紗希にはそんな気を使う必要もなかった。
だって、散々私は紗希に愚痴をこぼしてるから。
「まだ誤解は解けないか~」
うーんと唸って難しい顔をする紗希。
彼女は私が学校で
どんな噂を流されているのか、全部知ってるんだ。
これでも、私の親友ですから。