【完】素直になれよ。



私の様子から"他にも知っている人がいる"、と悟った紗希はそう聞いてきた。


「……同級生だよ。」


アラビアータをフォークで突っつきながら言うと

紗希はさらに前のめりになって問い詰めてきた。


「男?!女?!」

「…男。」

「イ、イケメン?!」

「……ただの腹黒男だよ、あんなん。」


フォークを口に運ぶ手が止まる。


思い出せば思い出すほどムカつく。



勝手に腕を引っ張られて

強引に一緒に帰らされて

バスでも隣に座って……



ぽんっと昨日のバスでのことが頭に浮かんだ。



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