【完】素直になれよ。






記憶はないけど

織川が倒れた私を保健室まで運んだんだよね...



「別に...大したことじゃないけど...」


「うん」


「あいつと二人で...プール掃除してたときに私、倒れたらしくて。そんときに保健室まで私を運んだのが、織川だったんだって。」




そこまで言うと

紗希はなぜか「ふむふむ」と頷きながら、ニヤニヤ笑っていた。





「でもやっぱり織川は最低な奴なんだって!」




紗希の様子を見て

反射的に私はそう言っていた。


少しは良い奴かも、なんて思った気持ちを...否定したかった。






「しかもあいつ、命令口調だし。」

「なんかいちいち突っかかってくるし。」

「強引だし、変態だし、性格悪いし。」




「ちょ...衿華?」




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